『ザ・ロイヤルファミリー』第6話レビュー〜急展開の連続―父と息子、馬と人、そしてホープはあの名馬がモデル!?
<あらすじ>
いつもあと一歩で勝利に届かないロイヤルホープだが、応援するファンは確実に増えていた。しかし、栗須(妻夫木聡)は耕造(佐藤浩市)に2017年の有馬記念終了後、来年の有馬記念を最後に自身もロイヤルホープも引退すると告げられ驚きを隠せなかった。
それは事前の家族会議でも伝えられ、次期社長へは優太郎(小泉孝太郎)と突然命じたため、優太郎も戸惑いを隠せないでいた。
さらに、耕造があることを告白したことで、栗須は急遽、耕造の隠し子・耕一(目黒蓮)に会いに行くことに・・・。有馬記念レース当日、雨の中スタートがきられる!
今回の第6話は、あまりに情報量が多く、そして怒涛の展開。
まるで“最終回の10分前”がずっと続いているような、息もつかせぬ45分だった。
物語は、有馬記念での敗北から一気に時間が飛ぶ。
ナレーションで2015年からホープの戦歴を淡々と読み上げていくが――
すべて勝てずに終わる。その後に耕一のPCに映る戦績を見ると
2015年菊花賞3着、有馬記念8着
2016年天皇賞・春5着、宝塚記念5着、有馬記念5着
2017年天皇賞・秋8着、ジャパンカップ8着、有馬記念9着
「え? まさか」の展開 G1で勝てない馬。そしてすでに5歳。
視聴者の戸惑いを、ドラマは平然と飲み込んで先へ進んでいく。
G1で勝てないホープ。
それでも競馬ファンはついてきた。そしてロイヤルファミリーの象徴であり続けた。
■ ホープ&耕造の“引退宣言”と耕造の衝撃の病
翌年の有馬記念を最後に、ホープと耕造が“引退する”ことが発表される。
耕造は家族に向かって「会長に退く」と告げる。
だが本当の問題はここからだ。
なぜ社長まで辞めるのか?
その理由は――
がんの発覚。
この一言で、ドラマの温度が一変する。
ロイヤルファミリーが誇る“絶対的な柱”が崩れようとしている。
一方で、援助を断り続けてきた耕一。
栗須は「耕造さんと話してほしい」と願うが、耕一の答えは冷たい。
今さら何を話す。
競馬の話? それすら必要ない。
こういう“親子の陰”を丁寧に描くあたりが、このドラマの真骨頂。
競馬の話を振っても、拒否。
これが親子断絶のリアリティ。
馬という共通言語ですら埋められない溝が、痛すぎるほど描かれる。
■ ロイヤルホープ、海外で覚醒
2018年
そんな暗さを一瞬吹き飛ばすのが、
ホープが海外ドバイゴールドカップGⅡで勝利する
という驚愕の報。
「すごいな…」
思わず声が漏れる展開。
勝てなかった馬が海外でのし上がる――競馬ファンにはたまらないロマンがある。
そして、札幌記念GⅡ2着、天皇賞・秋2着
この成績、どこかで見覚えがある。「ステイゴールド」
晩年にいきなり海外挑戦でドバイシーマクラシックを勝利した馬。稀代のシルバー&ブロンズコレクターと言われてた。人気あったよね。
しかし喜びも束の間、耕造の容体は悪化し、すでに入院。
この回、展開が早すぎる。
でも、その疾走感が“父と馬のラストラン”を刻みつける。
■ ジャパンカップ3馬身差の2着、そして有馬へ
迎えたジャパンカップ。
ホープは3馬身差の2着。
またしても勝てない。しかし有馬記念への出走が確定する。しかしジャパンカップ2着って相当すごいと思うんですけど。
その後に行われるロイヤルファミリーの食事会。
耕造が病院を抜け出して参加する――
これはもう“最後の晩餐”だ。
さらに衝撃が続く。
翔平が競馬学校へ行っていたことが判明。
ホープの背中を追い、佐木の影を追い、彼もまた夢を歩き始めていた。
そして、みんなで有馬記念へ向かう。
家族、従業員、関係者。
ロイヤルファミリーが一つに集結する瞬間だ。
■ 日高での“結婚宣言”と奇妙な切り返し
日高ではホープの勝利を巡る会話が栗須と可奈子の間で交わされる。
「ホープが勝ったら結婚しよう」
というプロポーズに対し……
「嫌だ」
と即答。
つまり、今は結婚したくないという明確な意思。
その後の松本若菜の“妙に目線がズレた”カットが、何とも奇妙で印象に残る。
このドラマらしい空気の“ゆがみ”が効いている。
一方、こちらも急展開。騎手の佐木が耕造に
「娘さんと結婚したい」
と伝える。
家族も恋愛も、ここからどんどん動き出す。
展開が早い。
本当に早い。
「まだこのドラマ続くの? 第2部の始まりでは?」
そんな予感すら抱かせる密度だった。
■ 有馬記念2日前―耕造が倒れる
物語はついに最終章の気配へ
有馬記念の2日前に、耕造が倒れる。
もはや時間が残されていないのが伝わる。
そして印象的だったのが、栗須が早朝の競馬場の外ラチ沿いを歩くシーン。
コース全体が“じゅわーっと光に溶ける”ような演出。綺麗でした。やっぱり馬は早朝ですよね。
耕造が言っていた言葉を思い出し、静かに手を合わせる栗須。
馬と人の記憶が交差する、美しい場面だった。
■ 有馬記念当日――雨
そして「最終回に見える第6話のハイライト」が始まる
天気予報は雨。
栗須は皆に向かって
「今日まで本当にありがとうございました」
と挨拶する。
このセリフ、最終回でもなかなか言わない。
そこへ耕一が競馬場に登場した途端に雨が降る。
「さすが雨女の息子」
と思ったが、場面はどこか明るい。この天気を表すのって微妙。雨だけど、
■ 追い込み馬ロイヤルホープが“逃げ”の衝撃
そしてレース開始。
ホープは本来スタートが苦手で、追い込みが主戦法。
なのに――
まさかの“逃げ”戦法。
こんなことが現実にあり得るのか?正直あるけど、G1レースでいきなりは中々拝めないでしょう。でも雨で馬場は重。前残りはありえるか。
驚きと興奮の中、有馬記念は進んでいき……
結果は 惜しくも2着。
勝てなかった。
でも、不思議と悔しさより“美しさ”が残るレースだった。
やっぱりシルバーコレクター確定。でも日本の競馬ファンはこういう馬好きなんですよね。
■ そして耕造は――まだまだ死なない
ドラマは耕造の最期を匂わせ続けるが、
この回のラストで“まだ死ねない”ことが示される。
この余白がいい。
すぐ死なせない。
安易に泣かせない。
だからこそ、次回以降が怖いし楽しみだ。
■ 5話まとめ
“第6話なのに最終回みたい”――それがこの回の魅力
とにかく展開が早かった。
しかし早さの中に、ちゃんと“家族の再生”と“馬の物語”の両軸が息づいている。さらに次回への布石がたくさん。
・耕造の病 ➡︎この先どこまで生き続けられるのか?
・親子の確執 ➡︎ロイヤルの競馬事業はなくなる?
・シルバーコレクター「ロイヤルホープ」引退 ➡︎種牡馬として未来
・栗須と可奈子の仲 ➡︎結婚はほぼ確定
・競馬学校へ入った翔平 ➡︎将来のロイヤル騎手
・耕一の雪解け ➡︎ロイヤルファミリー入りか?
こんなに詰め込んで成立するドラマは珍しい。
まさに“第2部”の幕開けと言っても過言ではない回だった。
次回、耕造とホープ、そして栗須はどんな未来を迎えるのか。
引き続き、全力で追いかけていきたい。
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